【言語聴覚士が解説】早口言葉で構音チェック|高齢者向け発音トレーニング10選
早口言葉は、言葉遊びとして楽しいだけでなく、発音に関わる口や舌の動きをチェックし、鍛えることができる優れた口腔トレーニングです。加齢により口唇や舌の筋力、動きの速さは少しずつ変化していくため、日頃から意識的に使う機会を作ることが構音機能の維持につながるとされています。この記事では、高齢者の方でも取り組みやすい早口言葉10選と、取り組み方のポイントをご紹介します。
早口言葉が発音トレーニングになる理由

早口言葉には、特定の音(サ行、タ行、ラ行など)が連続して登場します。これを正確に発音しようとすることで、普段あまり意識しない口唇・舌尖・軟口蓋といった構音器官の細かい動きを使うことになり、構音機能の維持・向上につながります。特にラ行やサ行は舌の位置をすばやく調整する必要があるため、舌の巧緻性(細かく正確に動かす力)を測る目安の一つになると考えられています。
高齢者向け 早口言葉10選

- 生麦生米生卵
- 隣の客はよく柿食う客だ
- 坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた
- すももも桃も桃のうち
- 赤巻紙青巻紙黄巻紙
- 東京特許許可局
- 蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ
- 庭には二羽鶏がいる
- 裏庭には二羽裏庭には二羽鶏がいる
- 来客が来客中に来客した
取り組み方のポイント
速く言うことよりも、まずはゆっくり、一音一音をはっきり発音することを目指しましょう。言いにくい音に気づいたら、その音だけを取り出して繰り返し練習するのも効果的です。慣れてきたら少しずつ速さを上げ、噛まずに言えるか挑戦してみましょう。
構音の状態をチェックする目安として
特定の早口言葉だけがいつも言いにくい、以前より明らかに噛みやすくなったと感じる場合は、構音に関わる機能の変化のサインかもしれません。一方で、急にろれつが回らなくなった、左右どちらかの口角が下がっている、飲み込みにくさも同時に出てきたといった場合は、注意が必要です。脳卒中など急性の病気が隠れている可能性もあるため、早口言葉の練習を行わず、すぐに医療機関を受診してください。日本脳卒中学会・日本脳卒中協会も、顔のゆがみ・腕の麻痺・言葉の障害(Face・Arm・Speech)を脳卒中の早期症状のサインとして挙げており、これらに気づいたらすぐに受診するよう呼びかけています(出典:日本脳卒中学会・日本脳卒中協会「脳卒中の予防・発症時の対応」)。ゆっくりとした変化であれば、言語聴覚士など専門家に相談することをおすすめします。
デイサービス・施設での活用法
早口言葉は、グループでのレクリエーションにも向いています。順番に挑戦して盛り上がったり、誰が一番うまく言えるか競争したりすることで、笑いの起こる楽しい時間になります。
まとめ
早口言葉は、楽しみながら発音機能をチェック・トレーニングできる手軽な方法です。毎日の脳トレに、ぜひ早口言葉を取り入れてみてください。


