構音

【言語聴覚士が解説】ブローイング訓練(吹く練習)のやり方|息の力で構音・嚥下機能を鍛える

toshi2511

発音や飲み込みには、口や舌の動きだけでなく、息をしっかり吹き出す力も関わっています。ブローイング訓練は、息を吹く動作を通じて、口唇を閉じる力や呼吸のコントロール力を鍛える訓練です。

ブローイング訓練が効果的な理由

言語聴覚士と吹く練習をする高齢者

「パ」「プ」「ポ」のような破裂音を発音するには、口唇をしっかり閉じて息をためる力が必要です。また、食事の後に口の中に残った食べ物を吐き出す、むせたときにしっかり咳をするといった動作にも、呼吸と口唇の協調した動きが関わっています。ブローイング訓練は、これらの機能を支える力を育てます。鼻からではなく口からしっかり息を吐く練習にもなるため、呼吸機能全体の維持にもつながります。日本摂食嚥下リハビリテーション学会の訓練法資料でも、ストローで水をぶくぶくと吹く練習などにより、鼻咽腔閉鎖に関わる神経・筋群の活性化を促す訓練として紹介されています(出典:日本摂食嚥下リハビリテーション学会「訓練法のまとめ(2014版)」)。

ブローイング訓練のやり方

羽根を息で動かすブローイング訓練に取り組む高齢者
  1. ティッシュ吹き
    小さく切ったティッシュを手のひらに置き、口をすぼめて吹き飛ばします。距離や強さを変えて挑戦してみましょう。
  2. ストロー水吹き
    コップに入れた水にストローを入れ、ぶくぶくと泡が立つように息を吹き込みます。短く強く吹く、長く一定に吹くなど、吹き方を変えて練習します。
  3. 吹き戻し・シャボン玉
    吹き戻し(巻いた紙が伸びるおもちゃ)やシャボン玉も、楽しみながら吹く力を鍛えられる道具です。
  4. ろうそくの火を消す動作(実際の火を使わない場合は手をかざして風を感じる)
    息を一気に吹き出す力を意識する練習になります。安全のため、実際の火を使う場合は周囲の環境に十分注意してください。

取り組むときのポイント

むせやすい方は、水を使う練習は避け、ティッシュや吹き戻しなど水を使わない方法から始めましょう。息を吹くことに集中しすぎて苦しくならないよう、無理のない強さで行うことが大切です。1回に5〜10回程度を目安に、疲れる前に切り上げましょう。

デイサービス・施設での活用法

シャボン玉やティッシュ吹きは、見た目にも楽しく、レクリエーションとして取り入れやすい訓練です。的当てゲームのようにして、距離を競うのも盛り上がる工夫のひとつです。

他の訓練との組み合わせ

ブローイング訓練は、あいうべ体操や舌の体操など、口や舌を動かす他の訓練と組み合わせて行うと、口腔機能全体への働きかけになります。毎日同じ時間に複数の体操をセットで行う習慣をつけると、継続しやすくなります。

まとめ

ブローイング訓練は、楽しみながら口唇の力と呼吸のコントロールを鍛えられる訓練です。道具も身近なもので済むため、ご家庭でも気軽に取り入れてみてください。

ABOUT ME
高橋
高橋
言語聴覚士
現役の言語聴覚士として、高齢者のリハビリに10年以上従事しています。回復期病院・デイサービス・老人保健施設での臨床経験をもとに、認知症予防に役立つ脳トレ情報を発信しています。「なぜこの問題が脳に良いのか」を専門家の視点からわかりやすく解説することを大切にしています。
記事URLをコピーしました