失語症

【言語聴覚士が解説】失語症の方が使えるコミュニケーションツール|絵カード・文字盤・アプリの活用法

toshi2511

失語症があると、言葉だけでの会話に限界を感じる場面があります。そんなときに役立つのが、言葉を補う「コミュニケーションツール」です。この記事では、代表的なツールとその活用法をご紹介します。

なぜツールを使うといいのか

絵カードで気持ちを伝える失語症の高齢者

失語症があっても、伝えたい気持ちや考えそのものは変わらず存在しています。言葉という手段がうまく使えないときに、別の手段を用意しておくことで、伝わる・伝えられるという経験を増やすことができます。このような言葉を補う技法は「AAC(拡大代替コミュニケーション)」と呼ばれ、絵カードや文字盤、タブレット端末などが代表的な手段として紹介されています(出典:STナビ「AAC(拡大・代替コミュニケーション)とは」)。言葉に頼れないもどかしさは、本人にとって大きな心理的負担になることも多いため、ツールの活用は生活の質を支える意味でも重要です。

代表的なコミュニケーションツール

絵カードやタブレットを試す失語症の高齢者

絵カード

よく使う言葉や物を絵や写真で表したカードです。「トイレ」「痛い」「お茶」など、生活でよく使う言葉をカードにしておき、指し示すことで伝える方法です。家庭で手作りすることもできますし、市販の絵カードセットも活用できます。

文字盤

五十音やよく使う単語を書いた板やシートです。言葉が出にくくても、文字を指し示すことで伝えられる方は少なくありません。書くことは難しくても、指し示すことならできる、というケースにも有効です。

コミュニケーションノート

名前、住所、よく話す話題、好きなもの、困っていることなどをまとめておくノートです。初めて会う人とのやりとりや、外出先でのコミュニケーションの助けになります。

タブレット・アプリ

近年は、タップするだけで音声を再生できるコミュニケーション支援アプリも増えています。絵カードや文字盤と同じ役割を、タブレット一つでまとめて持ち運べるという利点があります。

ツールを選ぶときのポイント

本人が使いやすいと感じるかどうかが最も大切です。失語症のタイプによって、絵の理解は得意でも文字の理解は難しい、あるいはその逆というケースもあります。言語聴覚士に相談しながら、本人の症状や生活スタイルに合ったツールを一緒に選んでいくことをおすすめします。

まとめ

絵カード、文字盤、コミュニケーションノート、アプリなど、言葉を補うツールはさまざまです。言葉だけにこだわらず、本人に合った手段を見つけることが、コミュニケーションの可能性を広げる一歩になります。

ABOUT ME
高橋
高橋
言語聴覚士
現役の言語聴覚士として、高齢者のリハビリに10年以上従事しています。回復期病院・デイサービス・老人保健施設での臨床経験をもとに、認知症予防に役立つ脳トレ情報を発信しています。「なぜこの問題が脳に良いのか」を専門家の視点からわかりやすく解説することを大切にしています。
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