【言語聴覚士が解説】失語症の方が使えるコミュニケーションツール|絵カード・文字盤・アプリの活用法
失語症があると、言葉だけでの会話に限界を感じる場面があります。そんなときに役立つのが、言葉を補う「コミュニケーションツール」です。この記事では、代表的なツールとその活用法をご紹介します。
なぜツールを使うといいのか

失語症があっても、伝えたい気持ちや考えそのものは変わらず存在しています。言葉という手段がうまく使えないときに、別の手段を用意しておくことで、伝わる・伝えられるという経験を増やすことができます。このような言葉を補う技法は「AAC(拡大代替コミュニケーション)」と呼ばれ、絵カードや文字盤、タブレット端末などが代表的な手段として紹介されています(出典:STナビ「AAC(拡大・代替コミュニケーション)とは」)。言葉に頼れないもどかしさは、本人にとって大きな心理的負担になることも多いため、ツールの活用は生活の質を支える意味でも重要です。
代表的なコミュニケーションツール

絵カード
よく使う言葉や物を絵や写真で表したカードです。「トイレ」「痛い」「お茶」など、生活でよく使う言葉をカードにしておき、指し示すことで伝える方法です。家庭で手作りすることもできますし、市販の絵カードセットも活用できます。
文字盤
五十音やよく使う単語を書いた板やシートです。言葉が出にくくても、文字を指し示すことで伝えられる方は少なくありません。書くことは難しくても、指し示すことならできる、というケースにも有効です。
コミュニケーションノート
名前、住所、よく話す話題、好きなもの、困っていることなどをまとめておくノートです。初めて会う人とのやりとりや、外出先でのコミュニケーションの助けになります。
タブレット・アプリ
近年は、タップするだけで音声を再生できるコミュニケーション支援アプリも増えています。絵カードや文字盤と同じ役割を、タブレット一つでまとめて持ち運べるという利点があります。
ツールを選ぶときのポイント
本人が使いやすいと感じるかどうかが最も大切です。失語症のタイプによって、絵の理解は得意でも文字の理解は難しい、あるいはその逆というケースもあります。言語聴覚士に相談しながら、本人の症状や生活スタイルに合ったツールを一緒に選んでいくことをおすすめします。
まとめ
絵カード、文字盤、コミュニケーションノート、アプリなど、言葉を補うツールはさまざまです。言葉だけにこだわらず、本人に合った手段を見つけることが、コミュニケーションの可能性を広げる一歩になります。


