構音

【言語聴覚士が解説】舌の体操(舌出し・舌回し)のやり方|構音・嚥下機能を保つ舌のトレーニング

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食べ物を飲み込む動き、発音のどちらにも、舌の動きが深く関わっています。舌の筋力や動きの柔らかさが低下すると、発音が不明瞭になったり、食べ物をうまくまとめて送り込めずむせやすくなったりすることがあります。この記事では、舌の動きを保つための「舌の体操」のやり方をご紹介します。

舌の体操が必要な理由

鏡を見ながら舌の体操をする高齢者

舌は、発音では「タ」「ラ」「カ」行などの音を作る際に、口の中の正確な位置に動く必要があります。嚥下(飲み込み)では、食べ物を一つにまとめ、のどの奥へ送り込む役割を担っています。加齢や廃用(使う機会が減ること)によって舌の筋力や動きの速さが低下すると、これらの動きが難しくなり、構音の不明瞭さや食べこぼし、むせにつながることがあります。舌の筋力を高める「舌抵抗訓練」は、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の訓練法資料でも舌圧子などで負荷をかけて筋力を強化する訓練として紹介されています(出典:日本摂食嚥下リハビリテーション学会「訓練法のまとめ(2014版)」)。

舌出し体操のやり方

言語聴覚士と一緒に舌の体操をする高齢者グループ
  1. 口を開け、舌をできるだけ前に大きく出す
  2. 5秒程度保つ
  3. ゆっくり舌を引き戻す
  4. 5〜10回繰り返す

舌回し体操のやり方

  1. 口を閉じたまま、舌で歯の表面をなぞるようにゆっくり一周させる
  2. 時計回り・反時計回りの両方向で行う
  3. それぞれ5回程度繰り返す

上下左右に動かす体操

舌を上の歯の裏、下の歯の裏、左右の頬の内側に順番に押し当てる体操も効果的です。一方向につき3〜5秒程度保持し、ゆっくりと方向を変えていきます。どの体操も、速く行うことよりも、一つひとつの動きをしっかり行うことを意識しましょう。

取り組むときの注意点

舌を動かす体操は基本的に安全に行えますが、口の中に傷や痛みがある場合は無理に行わず、様子を見ながら行いましょう。食事前に行うと、飲み込みに関わる筋肉がほどよく活性化され、食事中のむせを減らす効果も期待できます。

続けることで期待できる変化

舌の体操は、1回で効果が出るものではなく、1日2〜3回、食前や決まった時間に継続することで、少しずつ舌の動きやすさの実感につながっていきます。発音がはっきりしてきた、食事中のむせが減ったといった変化は、数週間単位で現れることが多いため、焦らず日々の習慣として取り入れることが大切です。

デイサービス・施設での活用法

舌出し体操や舌回し体操は動きが目で見てわかりやすいため、グループで一緒に行うレクリエーションにも適しています。鏡を見ながら行うと、自分の舌の動きを確認しやすくなります。

まとめ

舌の体操は、発音と嚥下の両方を支える大切なトレーニングです。道具も要らず、すぐに始められるため、食前の習慣として日々続けていきましょう。

ABOUT ME
高橋
高橋
言語聴覚士
現役の言語聴覚士として、高齢者のリハビリに10年以上従事しています。回復期病院・デイサービス・老人保健施設での臨床経験をもとに、認知症予防に役立つ脳トレ情報を発信しています。「なぜこの問題が脳に良いのか」を専門家の視点からわかりやすく解説することを大切にしています。
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