【言語聴覚士が解説】ブローイング訓練(吹く練習)のやり方|息の力で構音・嚥下機能を鍛える
発音や飲み込みには、口や舌の動きだけでなく、息をしっかり吹き出す力も関わっています。ブローイング訓練は、息を吹く動作を通じて、口唇を閉じる力や呼吸のコントロール力を鍛える訓練です。
ブローイング訓練が効果的な理由

「パ」「プ」「ポ」のような破裂音を発音するには、口唇をしっかり閉じて息をためる力が必要です。また、食事の後に口の中に残った食べ物を吐き出す、むせたときにしっかり咳をするといった動作にも、呼吸と口唇の協調した動きが関わっています。ブローイング訓練は、これらの機能を支える力を育てます。鼻からではなく口からしっかり息を吐く練習にもなるため、呼吸機能全体の維持にもつながります。日本摂食嚥下リハビリテーション学会の訓練法資料でも、ストローで水をぶくぶくと吹く練習などにより、鼻咽腔閉鎖に関わる神経・筋群の活性化を促す訓練として紹介されています(出典:日本摂食嚥下リハビリテーション学会「訓練法のまとめ(2014版)」)。
ブローイング訓練のやり方

- ティッシュ吹き
小さく切ったティッシュを手のひらに置き、口をすぼめて吹き飛ばします。距離や強さを変えて挑戦してみましょう。 - ストロー水吹き
コップに入れた水にストローを入れ、ぶくぶくと泡が立つように息を吹き込みます。短く強く吹く、長く一定に吹くなど、吹き方を変えて練習します。 - 吹き戻し・シャボン玉
吹き戻し(巻いた紙が伸びるおもちゃ)やシャボン玉も、楽しみながら吹く力を鍛えられる道具です。 - ろうそくの火を消す動作(実際の火を使わない場合は手をかざして風を感じる)
息を一気に吹き出す力を意識する練習になります。安全のため、実際の火を使う場合は周囲の環境に十分注意してください。
取り組むときのポイント
むせやすい方は、水を使う練習は避け、ティッシュや吹き戻しなど水を使わない方法から始めましょう。息を吹くことに集中しすぎて苦しくならないよう、無理のない強さで行うことが大切です。1回に5〜10回程度を目安に、疲れる前に切り上げましょう。
デイサービス・施設での活用法
シャボン玉やティッシュ吹きは、見た目にも楽しく、レクリエーションとして取り入れやすい訓練です。的当てゲームのようにして、距離を競うのも盛り上がる工夫のひとつです。
他の訓練との組み合わせ
ブローイング訓練は、あいうべ体操や舌の体操など、口や舌を動かす他の訓練と組み合わせて行うと、口腔機能全体への働きかけになります。毎日同じ時間に複数の体操をセットで行う習慣をつけると、継続しやすくなります。
まとめ
ブローイング訓練は、楽しみながら口唇の力と呼吸のコントロールを鍛えられる訓練です。道具も身近なもので済むため、ご家庭でも気軽に取り入れてみてください。


