【言語聴覚士が解説】嚥下機能の簡易チェック法|反復唾液飲みテストなどのセルフチェック
嚥下機能の低下は、本人も気づきにくいまま進むことがあります。この記事では、ご家庭でも取り組める簡易的なセルフチェック方法をご紹介します。なお、これらはあくまで目安であり、正確な評価は専門家による検査が必要です。
反復唾液飲みテスト(RSST)

座った状態で、30秒間にできるだけ多く唾液を飲み込んでもらい、その回数を数える方法です。のどぼとけの動きを見て、1回の飲み込みとして数えます。一般的に、30秒間に3回以上飲み込めることが目安とされていますが、回数が少ない場合は嚥下機能の低下が疑われる一つのサインとなります。このテストは、日本のリハビリテーション医学の研究として発表され、現在も広く使われているスクリーニング法です(出典:才藤栄一・小口和代ほか「機能的嚥下障害スクリーニングテスト『反復唾液嚥下テスト』」リハビリテーション医学 2000年(J-STAGE))。
実施するときのポイント

のどぼとけに指を軽く当てて、上下に動く様子を確認しながら数えると数えやすくなります。口が乾いていると唾液が出にくく正確に測れないことがあるため、事前に少量の水で口を湿らせてから行うとよいでしょう。
水飲みテストの考え方
少量の水を飲んでもらい、むせがないか、声の変化がないかを確認する方法もあります。ただし、誤嚥のリスクがある場合に行うと危険を伴うことがあるため、ご家庭で自己判断で行うのではなく、専門家の指導のもとで実施することが前提となります。
日常生活の中でのチェックポイント
嚥下機能低下のサインには、次のような変化もあります。食事中にむせる回数が増えた、食後に声がガラガラになる、食べるのに以前より時間がかかるようになった、食事中や後に咳が増えた、などです。
定期的にチェックする意味
嚥下機能の低下は少しずつ進むことが多いため、月に1回など決まったタイミングでセルフチェックを行うと、変化に気づきやすくなります。数値そのものより、「以前と比べてどう変化したか」という経過を見ることが大切です。
セルフチェックの限界と専門家への相談
これらの簡易チェックは、あくまで「気づきのきっかけ」として活用するものです。何らかの変化が続く場合や、心配な様子がみられる場合は、自己判断で対応を決めず、言語聴覚士や医師による専門的な評価を受けることをおすすめします。
まとめ
反復唾液飲みテストなどの簡易チェックは、嚥下機能の変化に気づくきっかけになります。気になる結果が出た場合は、早めに専門家に相談し、正確な評価を受けるようにしましょう。


