【言語聴覚士が解説】九九を使った回想法的脳トレ|懐かしさを活かした記憶想起トレーニング
「昔はすらすら言えた九九、今でも覚えているだろうか」——九九には、単なる計算問題とは違う懐かしさがあります。子どもの頃に暗唱で覚えた記憶は、高齢になっても残っていることが多く、この特性を活かした脳トレが注目されています。
この記事では、九九を「計算問題」としてではなく「懐かしい記憶を呼び起こす題材」として活用する、回想法的なアプローチをご紹介します。
九九が記憶想起の題材に向いている理由

九九は、多くの方が学校で繰り返し暗唱し、体に染み込むように覚えた記憶です。このような「手続き記憶」に近い形で覚えたものは、他の記憶に比べて比較的失われにくいとされています。「にさんがろく」といった語呂を口にすることで、当時の情景や気持ちまで一緒によみがえることも少なくありません。
回想法との共通点

回想法は、懐かしい出来事や物を手がかりに、思い出を語り合うことで心理的な安定や認知機能への働きかけを目指すアプローチです。九九を声に出す活動も、「学校の教室」「先生の声」「友達と一緒に唱えた記憶」など、当時の思い出につながるきっかけになる点で、回想法的な効果が期待できます。
やってみよう:九九の唱え方トレーニング
まずは1の段から順番に、ゆっくりと声に出して唱えてみましょう。すらすら言える段もあれば、少し詰まる段もあるかもしれません。詰まった部分は、無理に思い出そうとせず「懐かしいね」と笑い合える雰囲気を大切にしましょう。
慣れてきたら、「7の段だけ」「答えが20台になる九九だけ」など、テーマを決めて唱えてみるのもおすすめです。単なる暗唱に留まらず、答えを思い出す・選ぶという計算的な要素も加わります。
グループで行う場合の工夫
デイサービスなどのグループ活動では、参加者同士で段を分担して唱える、一緒に唱えながら手拍子を打つといった形にすると、一体感が生まれやすくなります。「懐かしい」という共感が会話のきっかけにもなります。
まとめ
九九は、計算問題としてだけでなく、懐かしい記憶を呼び起こす回想法的な題材としても活用できます。声に出して唱える楽しさと、思い出話に花が咲く時間を、ぜひ日々の脳トレに取り入れてみてください。


