嚥下

【言語聴覚士が解説】アイスマッサージ法とは|冷たい刺激で嚥下反射を促す訓練

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嚥下機能が低下すると、飲み込みの反応(嚥下反射)が起こるタイミングが遅れ、むせやすくなることがあります。アイスマッサージ法は、冷たい刺激を使ってこの反射を促す、リハビリ現場でよく用いられる訓練方法です。

アイスマッサージ法とは

専門職がアイスマッサージの道具を準備する様子

冷やした綿棒やスポンジなどを、のどの奥や口の中の嚥下に関わる部分に軽く触れ、冷たい刺激を与える方法です。冷たさという強い感覚刺激によって、嚥下反射が起こりやすい状態を一時的に作り出すことを目的としています。

なぜ冷たい刺激が嚥下反射を促すのか

嚥下反射は、のどの奥の感覚神経が刺激を受け取ることで引き起こされるとされています。冷たさは通常の触覚よりも強く感じられる感覚刺激のため、感覚が鈍くなっている部分でも反射を引き出しやすくなると考えられています。日本摂食嚥下リハビリテーション学会がまとめた訓練法の資料でも、前口蓋弓などへの冷温・触圧刺激によって嚥下を誘発する感受性を高める間接訓練として紹介されています(出典:日本摂食嚥下リハビリテーション学会「訓練法のまとめ(2014版)」)。この一時的に高まった感覚を利用して、その直後の食事につなげることで、食べ始めのむせを減らす効果が期待されます。

アイスマッサージ法の基本的な流れ

専門職のもとで冷たい刺激を使った嚥下訓練を行う高齢者

氷水などで冷やした綿棒やスポンジを用意し、口の中の上あご、舌の付け根付近などに軽く触れます。刺激を与えた後、「ごくんと飲み込んでみてください」と声をかけ、実際に飲み込みの動作を促します。この流れを数回繰り返し、その後の食事につなげることで、食べ始めのむせを減らす効果が期待されます。

実施するタイミング

食事の直前、いわば「のどのウォーミングアップ」として行われることが多く、効果は一時的なものと考えられています。そのため、食事のたびに毎回行うのが基本的な使い方です。

行う際の注意点

のどの奥への刺激は、誤った方法で行うと苦痛や嘔吐反射を引き起こす可能性があります。自己判断でご家庭だけで行うのではなく、言語聴覚士などの専門職の指導を受けながら実施することが大切です。初めて行う場合は、必ず専門家に正しいやり方を確認しましょう。

どんな方に向いている訓練か

食事の最初にむせやすい、飲み込みの反応が遅いと感じられる方に向いた訓練です。食前のウォーミングアップとして、嚥下体操と組み合わせて行われることもあります。

まとめ

アイスマッサージ法は、冷たい刺激を使って嚥下反射を促す専門的な訓練です。正しい方法で行うことが大切なため、導入を検討する場合は言語聴覚士に相談し、指導を受けながら取り入れましょう。

ABOUT ME
高橋
高橋
言語聴覚士
現役の言語聴覚士として、高齢者のリハビリに10年以上従事しています。回復期病院・デイサービス・老人保健施設での臨床経験をもとに、認知症予防に役立つ脳トレ情報を発信しています。「なぜこの問題が脳に良いのか」を専門家の視点からわかりやすく解説することを大切にしています。
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