【言語聴覚士が解説】高齢者向け引き算プリント50問|注意力とワーキングメモリを鍛える認知症予防の脳トレ

「最近、計算をする機会が減ってきた」

「物忘れが少し気になる」
こうした不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、現役の言語聴覚士として10年以上、認知症の方や高齢者のリハビリに携わってきた私が、引き算プリント50問をご紹介します。
足し算とは異なる引き算特有の脳への効果を、専門的な視点から解説します。
引き算が脳トレに効果的な理由【言語聴覚士が解説】
引き算は足し算より「複雑な処理」を求められる
足し算と引き算、どちらも基本的な計算ですが、脳への負荷には違いがあります。
足し算は「数を増やす」という直感的な操作ですが、引き算は「数を減らしながら、結果が0以上になるか確認する」という、より複雑な処理を伴います。特に「9-6」のように引く数が大きい場合、頭の中で「borrow(借りてくる)」という概念を使う場面もあり、足し算よりワーキングメモリへの負荷が大きくなる傾向があります。
この「少し複雑な処理を求められる」という特性が、引き算を脳トレとして効果的にしている理由のひとつです。
引き算でこそ鍛えられる「逆算思考」
日常生活では、「残りはいくつ?」「あといくらかかる?」といった引き算的な思考を頻繁に使います。買い物のお釣り計算、残りの予定時間の計算、薬の残数の確認——こうした場面では、引き算による「逆算思考」が活躍します。
逆算思考は、結果から逆向きに考える高度な認知処理です。継続的に引き算に取り組むことで、こうした日常生活に直結した思考力を維持できます。
引き算が刺激する3つの認知機能
引き算を解くとき、脳は次の3つの機能を中心に使っています。
① ワーキングメモリ
「15-3」を計算するとき、「15」という数字を保持しながら「3を引く」という処理を行います。この「保持しながら処理する」動作がワーキングメモリの働きです。
② 注意力
引く数と引かれる数を混同しないよう、正確に数字を読み取る注意力が必要です。「15-3」と「3-15」を見間違えないことも、注意力の維持に関わります。
③ 前頭葉の実行機能
「答えが負の数になっていないか」を確認しながら計算を進める判断力は、前頭葉の実行機能が担っています。
このプリントがおすすめの方
- 在宅で家族と一緒に取り組める脳トレを探している方
- 無理なくできる脳トレを探している方
- 計算力・注意力の維持に取り組みたい方
- 毎日の習慣として脳トレを取り入れたい方
デイサービスや介護施設でのレクリエーション教材を探しているスタッフの方
高齢者向け 引き算問題50問
問題
- 9-3=
- 8-2=
- 7-4=
- 6-1=
- 5-3=
- 10-5=
- 9-6=
- 8-7=
- 7-2=
- 6-4=
- 15-3=
- 14-6=
- 13-5=
- 12-4=
- 11-7=
- 16-8=
- 18-9=
- 17-6=
- 19-5=
- 20-7=
- 22-8=
- 24-6=
- 23-9=
- 25-7=
- 21-5=
- 26-4=
- 28-6=
- 27-3=
- 29-8=
- 30-9=
- 32-7=
- 34-5=
- 33-6=
- 35-8=
- 36-4=
- 38-9=
- 37-5=
- 39-7=
- 40-6=
- 42-8=
- 41-9=
- 43-5=
- 44-7=
- 45-6=
- 46-8=
- 47-9=
- 48-4=
- 49-7=
- 50-5=
- 52-6=
答え
- 9-3=6
- 8-2=6
- 7-4=3
- 6-1=5
- 5-3=2
- 10-5=5
- 9-6=3
- 8-7=1
- 7-2=5
- 6-4=2
- 15-3=12
- 14-6=8
- 13-5=8
- 12-4=8
- 11-7=4
- 16-8=8
- 18-9=9
- 17-6=11
- 19-5=14
- 20-7=13
- 22-8=14
- 24-6=18
- 23-9=14
- 25-7=18
- 21-5=16
- 26-4=22
- 28-6=22
- 27-3=24
- 29-8=21
- 30-9=21
- 32-7=25
- 34-5=29
- 33-6=27
- 35-8=27
- 36-4=32
- 38-9=29
- 37-5=32
- 39-7=32
- 40-6=34
- 42-8=34
- 41-9=32
- 43-5=38
- 44-7=37
- 45-6=39
- 46-8=38
- 47-9=38
- 48-4=44
- 49-7=42
- 50-5=45
- 52-6=46
リハビリ現場での効果的な使い方
① デイサービスでのグループ活用
デイサービスでは、問題を声に出して読み上げ、参加者それぞれのペースで取り組んでもらう形式が効果的です。答え合わせの際に「どうやって計算しましたか?」と問いかけることで、思考プロセスを言語化するトレーニングにもなります。
② 個別リハビリでの活用
個別リハビリでは、対象者の認知機能レベルに合わせて問題を選びます。1桁同士の引き算から始め、慣れてきたら2桁の引き算へとステップアップする段階的な導入が基本です。
言語聴覚士の現場でも、「短時間×継続」が最も効果的なアプローチとされています。1回の量にこだわらず、毎日少しずつ取り組むことを優先してください。
③ 在宅での活用
ご自宅では、1日5〜10問を目安に声に出しながら取り組むのがおすすめです。カレンダーに取り組んだ日を記録すると、継続のモチベーションにつながります。
より効果を高める取り組み方
① 暗算で取り組む
計算機や筆算を使わず、頭の中だけで計算することがワーキングメモリへの最大の刺激になります。難しい場合は、まず簡単な問題に戻って慣れてから挑戦してください。
② 声に出しながら解く
「15-3は……12」と声に出しながら解くことで、言語機能と聴覚への刺激が加わります。集中力も高まり、計算ミスも減りやすくなります。
③ 毎日少しずつ続ける
引き算は「難しい」と感じる方もいるため、最初は1日5問からのスタートで十分です。毎日少しずつ続けることが、認知機能の維持に最も効果的です。
まとめ
引き算は、ワーキングメモリ・注意力・前頭葉の実行機能を効率よく鍛えられる脳トレです。足し算より複雑な処理を求められる分、脳への刺激も大きくなります。
「簡単・短時間・継続」を意識することで、無理なく続けられます。まずは1日5分から始めて、日々の習慣として取り入れてみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。


