嚥下

【言語聴覚士が解説】嚥下おでこ体操・シャキア訓練のやり方|のどの筋力を鍛える

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食べ物を飲み込むとき、のどぼとけ(喉頭)は上下に動いて気管をふさぎ、食べ物が気管に入らないようにしています。この動きの力が弱くなると、誤嚥が起こりやすくなるとされています。この記事では、のどぼとけを持ち上げる力を鍛える「おでこ体操」と「シャキア訓練」のやり方をご紹介します。

おでこ体操とは

言語聴覚士と嚥下おでこ体操を行う高齢者

手のひらをおでこに当て、おでこと手で押し合うようにしながら、おへそを見るように下を向く体操です。のどぼとけを持ち上げる筋肉に力を入れながら行うことができ、道具を使わず座ったままできるのが特徴です。

おでこ体操のやり方

  1. 手のひらをおでこに当てる
  2. おへそを見るように下を向きながら、手のひらでおでこを押し、おでこも手を押し返すように力を入れる
  3. 5秒間この状態を保つ
  4. これを5回程度繰り返す

シャキア訓練とは

言語聴覚士の見守りでシャキア訓練を行う高齢者

仰向けに寝た状態で、肩を床につけたまま頭だけを持ち上げ、足先を見るようにする訓練です。おでこ体操と同じく、のどぼとけを持ち上げる筋肉を鍛える効果がありますが、体への負荷がやや大きいため、体調や体力に応じて無理のない範囲で行う必要があります。この訓練はアメリカの研究者シャキア医師らが1997年に発表した研究をもとにしており、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の訓練法資料でも、喉頭挙上にかかわる筋の筋力強化を目的とした訓練として紹介されています(出典:Shaker R, et al. Gastroenterology誌 1997年「Rehabilitation of swallowing by exercise in tube-fed patients with pharyngeal dysphagia」、日本摂食嚥下リハビリテーション学会「訓練法のまとめ(2014版)」)。

シャキア訓練のやり方

  1. 仰向けに寝て、肩は床につけたままにする
  2. 足先を見るように、頭だけをゆっくり持ち上げる
  3. 数秒間保持してから、ゆっくり頭を戻す
  4. 無理のない回数で繰り返す

取り組むときの注意点

どちらの体操も、首や肩に痛みがある場合や、体調がすぐれないときは中止してください。特にシャキア訓練は体への負荷が大きいため、高齢の方や持病のある方、高血圧のある方は、自己判断で行う前に医師や言語聴覚士に相談することをおすすめします。負荷が大きいと感じる場合は、まずおでこ体操から始め、体力に応じて段階的に取り入れるとよいでしょう。

継続することの大切さ

これらの体操は、一度行っただけで効果が出るものではありません。1日数回、無理のない回数を毎日続けることで、のどの筋力の維持につながります。食事前の習慣として取り入れるのもよい方法です。

効果を感じるまでの目安

のどの筋力は、数日の訓練で大きく変わるものではなく、一般的に数週間から数ヶ月単位で変化が現れるとされています。むせの減少や声の出しやすさといった変化を感じるまで、焦らず継続することが大切です。

まとめ

おでこ体操とシャキア訓練は、のどぼとけを持ち上げる力を鍛え、誤嚥を防ぐために役立つ体操です。ご自身の体調に合わせて、無理のない範囲で続けていきましょう。

ABOUT ME
高橋
高橋
言語聴覚士
現役の言語聴覚士として、高齢者のリハビリに10年以上従事しています。回復期病院・デイサービス・老人保健施設での臨床経験をもとに、認知症予防に役立つ脳トレ情報を発信しています。「なぜこの問題が脳に良いのか」を専門家の視点からわかりやすく解説することを大切にしています。
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