【言語聴覚士が解説】高齢者向け時計の計算問題20問|時間認識と空間認知を鍛える脳トレ無料プリント

「時計を見るのが少し苦手になってきた」

「時間の感覚を保ちたい」
「病院の予約時間の計算が以前より時間がかかるようになった」
こうした変化を感じたとき、それは時間認識や空間認知の機能が変化しているサインかもしれません。
この記事では、現役の言語聴覚士として10年以上、認知症の方や高齢者のリハビリに携わってきた私が、時計の計算問題20問をご紹介します。なぜ時計の問題が脳トレとして特に優れているのか、言語聴覚士の視点から詳しく解説します。
時計の計算問題20問
問題
- 3時から2時間後は何時ですか?
- 7時15分から1時間後は何時何分ですか?
- 10時から3時間後は何時ですか?
- 1時30分から30分後は何時何分ですか?
- 5時45分から15分後は何時何分ですか?
- 9時から4時間後は何時ですか?
- 2時20分から40分後は何時何分ですか?
- 11時から1時間30分後は何時何分ですか?
- 6時50分から20分後は何時何分ですか?
- 8時から5時間後は何時ですか?
- 4時10分から50分後は何時何分ですか?
- 12時から2時間後は何時ですか?
- 3時40分から30分後は何時何分ですか?
- 7時から6時間後は何時ですか?
- 9時25分から35分後は何時何分ですか?
- 1時から7時間後は何時ですか?
- 10時50分から15分後は何時何分ですか?
- 2時から9時間後は何時ですか?
- 5時35分から25分後は何時何分ですか?
- 11時から10時間後は何時ですか?
答え
- 5時
- 8時15分
- 13時
- 2時0分
- 6時0分
- 13時
- 3時0分
- 12時30分
- 7時10分
- 13時
- 5時0分
- 14時
- 4時10分
- 13時
- 10時0分
- 8時
- 11時5分
- 11時
- 6時0分
- 21時
時計の計算が脳トレに効果的な理由【言語聴覚士が解説】
時計の読み取りは「空間認知」を使う
アナログ時計を読むとき、脳は単に数字を読むだけでなく、**針の位置を空間的に把握する「空間認知」**を使っています。
「長針が7のところにある→35分」という変換は、視覚情報を空間的に処理する右脳の頭頂葉が大きく関わっています。この空間認知機能は、アルツハイマー型認知症の初期から低下しやすい機能のひとつです。
医療機関での認知機能検査「時計描画テスト(CDT)」では、時計を描いてもらうことで空間認知・遂行機能・記憶機能を同時に評価します。時計に関連した課題が認知機能の指標として使われるのは、それだけ時計と脳機能の関係が深いからです。
「◯時間後は何時?」は複数の認知機能を使う
「3時から2時間後は何時か」という問題は、一見シンプルですが、脳の中では複数の処理が同時に行われています。
① 現在の時刻を把握する(見当識)
今が何時かを認識する「時間の見当識」は、認知症の初期から低下しやすい機能です。「今が何時かわからない」という症状と密接に関係しています。
② 時間を足す・引く(計算力)
足し算・引き算という計算処理を行う際には、前頭葉とワーキングメモリが働きます。
③ 60進法で考える(論理的思考)
通常の10進法ではなく「60分で1時間」という60進法の概念を使う必要があります。この「普段と違うルールで考える」という動作が、前頭葉への特別な刺激になります。
④ 答えを言葉や数字で表現する(言語表現)
「12時30分」という形で答えを表現するとき、言語機能も働いています。
デジタル時計より「アナログ時計」の方が脳への刺激が大きい
現在はスマートフォンやデジタル時計が普及し、アナログ時計を見る機会が減っています。しかし脳トレの観点では、アナログ時計の方が空間認知を使うため、デジタル時計より脳への刺激が大きくなります。
日常生活でもアナログ時計を意識して読む習慣をつけることが、空間認知の維持に効果的です。
リハビリ現場での活用法
① デイサービスでのグループ活用
デイサービスでは、問題を声に出して読み上げ、利用者さん全員で一緒に考える形式が効果的です。「次のバスは3時15分、今は2時50分、あと何分?」のように、実際の生活場面と結びつけた問いかけをすると、より意欲的に取り組んでもらえます。
答え合わせのとき「どうやって計算しましたか?」と思考プロセスを話してもらうと、言語表現のトレーニングにもなります。
② 個別リハビリでの活用
個別リハビリでは、問題の難易度を段階的に調整します。まず「3時から2時間後」のような整数の計算から始め、慣れてきたら「7時15分から1時間後」「9時25分から35分後」のように分の計算を加えます。
時間の見当識に問題がある方には、「今は何時ですか?」という問いかけから始め、実際の時計を使いながら取り組むのが効果的です。
③ 在宅での活用
ご自宅では、日常生活と組み合わせた使い方がおすすめです。「お昼ごはんは12時、今は10時30分、あと何時間何分?」のように、実際の生活の中で時間計算を意識する習慣をつけることが、日常的な脳への刺激になります。
効果を高める取り組み方のコツ
① 声に出しながら解く
問題を声に出して読み、答えも声に出して言うことで、言語機能と聴覚への刺激が加わります。黙って解くよりも脳への刺激が増え、集中力も高まります。
② 頭の中でアナログ時計をイメージする
問題を解くとき、頭の中でアナログ時計の文字盤を思い浮かべながら計算することで、空間認知のトレーニングも同時にできます。「長針がここにあって、2時間進むと…」とイメージしながら解いてみてください。
③ 制限時間を設けてみる
慣れてきたら「5分以内に20問」など、軽く時間を意識して取り組むことで、処理速度のトレーニングになります。ただしプレッシャーをかけすぎず、「だいたいこのくらい」という目安にとどめましょう。
この問題がおすすめの方
- 時計の読み取りに不安を感じ始めた方
- 時間の計算が以前より時間がかかるようになった方
- 認知症予防として日常生活に役立つ脳トレを探している方
- デイサービスや介護施設でのレクリエーション教材を探しているスタッフの方
- 在宅で家族と一緒に取り組める脳トレを探している方
まとめ
時計の計算問題は、空間認知・時間の見当識・計算力・論理的思考・言語表現という複数の認知機能を同時に鍛えられる、非常に優れた脳トレです。
「時計を見る」「時間を計算する」という日常生活に直結した課題だからこそ、練習した力をそのまま生活の中で活かせます。まずは1日5問から、無理のないペースで始めてみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、診断・治療の代替となるものではありません。


