【言語聴覚士が解説】あなたの脳トレレベルは?10問テストで認知機能をチェック

toshi2511

「最近、物忘れが増えてきた気がする」

「自分の脳の状態って、実際どうなんだろう?」

こうした不安を感じたとき、なんとなくの感覚で判断するより、簡単なテストで客観的に確認することが大切です。

この記事では、現役の言語聴覚士として10年以上、認知症の方や高齢者の認知機能リハビリに携わってきた私が、注意力・記憶力・言語力・計算力の4つをバランスよく確認できる10問のテストをご用意しました。

医療機関で使われる認知機能検査と同じ原理を応用した問題です。特別な道具は不要で、今すぐ取り組めます。まずは気軽に、今の自分の状態をチェックしてみましょう。

このテストで確認できる4つの認知機能

テストを始める前に、何を測るのかを確認しておきましょう。言語聴覚士の立場から、日常生活の維持に特に重要な4つの機能を選んでいます。

① 注意力

目の前の情報を正確に捉え、見落としなく処理する力です。「違うものを見つける」「数を数える」といった課題で確認できます。注意力の低下は、料理中のミスや交通事故のリスク上昇と関連しています。

② 記憶力(ワーキングメモリ)

情報を頭の中に一時的に保持しながら処理する力です。「覚えてから後で思い出す」という課題がこれにあたります。ワーキングメモリは認知症の初期から低下しやすく、「さっきの話を忘れる」「買い物で買うものを忘れる」といった日常の困りごとに直結します。

③ 言語力(思い出す力)

特定のカテゴリから言葉を素早く引き出す力(語想起)と、言葉の意味を理解する力です。「春と聞いて思い浮かぶものを答える」「◯◯で始まる言葉を言う」といった課題で確認できます。

④ 計算力

数字を処理し、正確に答えを出す力です。前頭葉のワーキングメモリを使う暗算は、特に脳への負荷が高いトレーニングになります。

脳トレレベル診断(全10問)

できれば紙に書いたり、声に出したりしながら取り組んでみてください。声に出すことで、言語機能と発声機能への刺激も加わります。

【第1問】計算

7+5=

【第2問】計算

15-6=

【第3問】注意力

次の中で「違うもの」はどれ?

りんご・みかん・バナナ・にんじん

【第4問】記憶

3秒だけ見て覚えてください

👉「ねこ・さくら・テレビ」

(見ないで答えてください)

3つ言えますか?

【第5問】言語

「春」と聞いて思い浮かぶものを3つ答えてください

【第6問】計算

8×3=

【第7問】思考

100円のりんごを2つ買いました。いくらですか?

【第8問】言語

「い」で始まる言葉を3つ答えてください

【第9問】注意力

1〜10の中で偶数はいくつありますか?

【第10問】記憶+注意

先ほどの3つの言葉をもう一度言えますか?

答え

  1. 12
  2. 9
  3. にんじん
  4. ねこ・さくら・テレビ
  5. (例)花・入学式・暖かい
  6. 24
  7. 200円
  8. (例)いぬ・いえ・いす
  9. 5個(2・4・6・8・10)
  10. ねこ・さくら・テレビ

各問題が鍛える認知機能【言語聴覚士が解説】

問題を解いたあとに読むと、より理解が深まります。

第1・2・6・7問(計算問題)→ 前頭葉・ワーキングメモリ

計算問題は、前頭葉を最も効率よく刺激できるトレーニングのひとつです。特に暗算では、「数字を頭の中に保持しながら計算する」というワーキングメモリの働きが必要です。

第7問の「100円のりんごを2つ買うといくら?」は、文章を読んで状況を理解し、計算するという複数の認知機能を同時に使う応用問題です。単純な計算より前頭葉への負荷が高くなります。

第3・9問(注意力問題)→ 注意力・処理速度

第3問の「違うものを見つける」課題は、複数の情報を素早く比較・判断する注意力を使います。

第9問の「1〜10の偶数はいくつか」は、数字を頭の中で順番に確認しながら条件に合うものを選ぶ「選択的注意」のトレーニングです。

第4・10問(記憶問題)→ 短期記憶・遅延再生

第4問で3つの言葉を覚え、第10問で再び思い出すという構成は、医療機関でも使われる認知機能検査「HDS-R(長谷川式)」と同じ原理です。

「覚える」より「あとで思い出す(遅延再生)」の方が脳への負荷が高く、認知症の初期から低下しやすい機能です。第4問は答えられても、第10問になると思い出せない方が多い——これはワーキングメモリの低下のサインのひとつです。

第5・8問(言語問題)→ 語想起・言語流暢性

「春と聞いて思い浮かぶものを3つ」「い で始まる言葉を3つ」という課題は、「語想起」と呼ばれる言語機能のトレーニングです。

言語聴覚士が担当する「語流暢性検査」と同じ原理で、1分間に特定のカテゴリから言葉をどれだけ多く引き出せるかを見ます。言葉がすぐに出てこない・名前が思い出せないという症状は、この語想起の低下と関係しています。

あなたの脳トレレベル

🔰 0〜4問正解|スタートレベル

無理なく始める段階です。

脳は使わないと少しずつ働きが落ちていきますが、

今からでも十分に回復・維持が可能です。

言語聴覚士からの一言: 焦る必要はまったくありません。脳は何歳からでも刺激に反応し、機能を維持・回復させる力を持っています。まずは1日5分、1桁の足し算や日付を声に出すことから始めてみてください。「毎日少しずつ」が最も効果的です。

👉おすすめ
  • 1桁の足し算・引き算
  • 短時間(5分)の脳トレ習慣

🌱 5〜7問正解|基礎レベル

基本的な力はしっかりあります。

ただし、注意力や記憶の抜けが少し出やすい状態です。

言語聴覚士からの一言: 基本的な認知機能はしっかり保たれています。注意力や記憶の抜けが気になる場合は、問題を解くときに「声に出す」「書きながら解く」という一手間を加えるだけで、脳への刺激が増えます。計算と言語を組み合わせたミックス問題に挑戦してみましょう。

👉おすすめ
  • 計算+言語の組み合わせ問題
  • 少し考える課題(30問程度)

🌟 8〜10問正解|しっかりレベル

脳の働きはとても良い状態です。

注意力・記憶力・思考力がバランスよく使えています。

言語聴覚士からの一言: 注意力・記憶力・思考力がバランスよく機能しています。この状態を維持するために大切なのは「継続」です。現在のレベルで満足せず、少し難しい問題に挑戦し続けることで、認知機能をさらに高いレベルで保てます。

👉おすすめ
  • 少し難しい問題に挑戦
  • 継続して習慣化することが大切

テスト結果に関わらず大切な3つのこと

① 正解数より「考えたこと」が重要

脳トレの効果は、正解することではなく「考えるプロセス」から生まれます。わからなくて「うーん」と悩んだ時間こそが、前頭葉への最大の刺激です。間違えても全く問題ありません。

② 毎日少しずつ続けることが最も効果的

週1回まとめてやるより、毎日5分続ける方が認知機能への効果は圧倒的に高いです。このテストを毎週1回の「定点観測」として使い、自分の状態を継続的に把握することもおすすめです。

③ 気になる症状があれば専門機関へ

このテストはあくまで日常的な認知機能の確認を目的としたものであり、医療的な診断ではありません。「最近急に物忘れが増えた」「日常生活に支障が出ている」と感じる場合は、早めにかかりつけ医や専門医(神経内科・もの忘れ外来)にご相談ください。

まとめ

  • このテストでは注意力・記憶力・言語力・計算力の4つを確認できる
  • 各問題には言語聴覚士が選んだ認知機能上の意味がある
  • 大切なのは正解数より「考えること」と「継続すること」
  • 気になる症状があれば早めに専門医へ相談する

次のステップ|あなたのレベルに合った脳トレを始めよう

テスト結果をもとに、今日から脳トレを始めてみましょう。当サイトでは難易度別・ジャンル別の脳トレ問題を多数用意しています。

ABOUT ME
高橋
高橋
言語聴覚士
現役の言語聴覚士として、高齢者のリハビリに10年以上従事しています。回復期病院・デイサービス・老人保健施設での臨床経験をもとに、認知症予防に役立つ脳トレ情報を発信しています。「なぜこの問題が脳に良いのか」を専門家の視点からわかりやすく解説することを大切にしています。
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